スノボハーフパイプで空を舞う。はじめてからトリックに有名選手まで

スノボの競技であるハーフパイプは、宙を舞いながら技を繰り出す、超上級者の競技というイメージが強いものです。今回は、ハーフパイプの基礎知識から国内の有名選手について、ハーフパイプの練習方法などについてまとめました。

スノボハーフパイプとはどんな競技なのか

競技として行うスノーボードには、主にスピードを競う『アルパイン』、スピードと技術を競う「スノーボードクロス」、そして「フリースタイル」の3種類があります。

このうち、ハーフパイプはフリースタイルに含まれます。スノボ競技の中でも知名度が高いので、見たことがあるという人も比較的多い競技です。

半円状のコースを跳び技の難度・表現を競う

では、ハーフパイプとはどのような競技かというと、円筒を半分に切ったような半円状のコースの中を滑り、技を競います。

コースの両サイドは高さ6~7mほどあり、この間を5~6回飛びながら技を繰り出します。この技を、6人いるジャッジが採点します。採点は100点満点で、最も高いスコアと低いスコアを除いた4人の平均点がスコアとなります。

採点は、技の難易度や完成度、着地の良し悪しなどのほか、エアの高さや構成、多様性なども加えて総合的に行われます。

1998年長野オリンピックから正式種目に

ハーフパイプを含むスノボ競技は、1998年の長野オリンピックから正式種目として採用されました。その後、2018年の平昌オリンピックでも、ハーフパイプは正式種目として行われています。

知っておきたいハーフパイプの基礎知識

ハーフパイプで滑っている様子を目にしたことはあるけれど、それぞれの技がどんなものなのか、どの程度の難易度があるかは、素人目で判断するのは難しいものです。

しかし、以下で紹介する基礎知識を頭に入れておけば、技を見分けやすくなり、ハーフパイプ観戦も楽しくなるでしょう。

フロント・バックサイドとスタンスについて

ハーフパイプでよく出てくる用語が、「フロントサイド」「バックサイド」です。これは回転する方向のことで、選手から見てフロントサイドは腹側の方向、バックサイドが背中側の方向へ回転するという意味です。

そして「スタンス」は、足の構え方です。左足が前の場合は「レギュラースタンス」、逆に右足が前にきている場合は「グーフィースタンス」と呼びます。

スタンスは選手によって異なり、その選手にとって通常とは逆のスタンスは、「スイッチスタンス」といいます。

トリックの種類は回転方向と回転数から

スノボでは、技のことを「トリック」と呼びます。このトリックの呼び方が複雑のように思えるかもしれませんが、一度呼び方を覚えると、技の内容がよりわかりやすくなります。

トリックは、回転の方向、縦回転の数、横回転の数という順番で呼びます。縦回転では、2回転を「ダブル」、3回転を「トリプル」、4回転を「クワッド」と表現します。

横回転は、角度を数字で表します。つまり、1回転が360度となるため、4回転の場合は360掛ける4で1440(フォーティンフォーティ)となります。

人気はダブルコークとマックツイスト

ハーフパイプで繰り出される技の中でも、人気が高いのは「ダブルコーク」と「マックツイスト」です。ダブルコークは、「ダブルコークスクリュー」の略で、斜面に対して回転軸が垂直ではない「3D回転」の技の1つに数えられます。

この技は、回転軸をずらしながらの横2回転に縦3回転を加えた、ハーフパイプ競技の中でも難易度の高い技です。

マックツイストも3D回転の技で、時計回りの1回転半に前方への縦回転を加えた技です。バックサイドへ540度回転することから、「バックサイド540」とも呼ばれています。

最高難度 フロントサイド・ダブルコーク1440

現時点でのハーフパイプにおける最高難度のトリックといわれているのが、「フロントサイド・ダブルコーク1440」です。これは、フロントサイドで縦2回転・横4回転を行う大技で、競技の勝敗にも大きく関わるトリックといえます。

2018平昌オリンピックの日本代表選手は

2018年2月に行われた平昌オリンピックで、多くの日本代表選手が活躍したことは、記憶に新しいでしょう。そこで、平昌オリンピックのスノボハーフパイプ日本代表選手について、まとめました。

2大会連続の銀メダリスト 平野歩夢

現在、日本で最も注目されているスノボ選手といっても過言ではないのが、日本のエースである平野歩夢選手です。

平野選手は、2014年のソチオリンピックで日本選手初のスノボ競技でのメダルを獲得しています。これにより、2018年11月末時点での冬季オリンピックでの日本人選手最年少メダル獲得者、スノボ競技における最年少メダル獲得者となりました。

平昌オリンピックでは好成績を残しながらも、アメリカのトップスノーボーダーであるショーン・ホワイト選手に惜しくも逆転され、2大会連続の銀メダルを獲得しています。

現在20歳の平野選手は、スケートボードで東京オリンピックに挑戦することを表明しており、夏季オリンピックでの活躍も期待されます。

ソチ五輪の銅メダリスト 平岡卓

ソチオリンピックにおいて平野選手に次ぐ銅メダルを獲得したのが、平岡卓選手です。

3歳でスキーを始め、6歳でスノーボードを始めた平岡選手は、小学生の頃にスノボ競技に出場し始めました。ジュニアオリンピック優勝などの好成績を収め、12歳でプロ資格を取得しています。

平岡選手は、平昌オリンピックでは、残念ながら予選敗退したため決勝進出を逃し、その後第一線を退いてプロ活動に専念することを明らかにしています。

決勝の怪我からの復帰は?戸塚優斗

小学3年生でハーフパイプを始めた戸塚優斗選手は、高校1年生で平昌オリンピックの代表に選出された選手です。11歳でプロ資格を取得し、オリンピック前年の2017年に全日本選手権で優勝した実績を持ちます。

平昌オリンピックでは決勝進出したものの、決勝で行われる3本中2本目の滑走で転倒し、棄権という結果に終わりました。担架で運ばれたほどだったため、怪我の状態が心配されましたが、骨には異常なく、幸い大事には至りませんでした。

女子最高の6位入賞 松本遥奈

ハーフパイプの女子代表選手の一人である松本遥奈選手は、小学2年でスノーボードを始め、中学2年のときにプロ資格を取得した、北海道札幌市出身の選手です。

17歳でジュニア世界一に輝いた後は、ワールドカップで表彰台に立つなど目覚ましい活躍を行い、平昌オリンピックの代表に選出されました。平昌オリンピックでは、日本女子選手最高の6位入賞を果たしています。

初心者から始めるスノボハーフパイプ

ハーフパイプは、素人目にも難易度が高く、普通にスノボで滑れる人であっても、躊躇してしまう競技ではないでしょうか。そこで、初心者からでも始められるハーフパイプの練習方法を紹介します。

最初はスケーティングから練習しよう

スノボをする上で基本中の基本となる動作が、「スケーティング」です。

スノボにおけるスケーティングとは、片足をバインディングに付けたままで移動することです。リフトに乗降するときや平らな場所を移動するときに必要な技術です。

スケーティングでは、バインディングに付けた前足をそのままに、後ろ足で地面を蹴って前へ進みます。レギュラースタンスなら右足、グーフィースタンスなら左足を固定されたもう片方の足より前に出してから、蹴り出すのがコツです。

慣れてきたらオーリーに挑戦しよう

ハーフパイプの技であるトリックをするには、基本の技をマスターしましょう。その基本技となるのが、「オーリー」です。

オーリーは、スノボ板をしならせて、その弾力を利用して飛び上がる技です。オーリーは、すべてのトリックの基本といわれるほどの技なので、ハーフパイプを行うのであれば必ずマスターしておく必要があります。

一見ただのジャンプと同じように見えるオーリーですが、通常のジャンプが板と地面を平行にして飛ぶのに対し、オーリーは後ろ足で板を蹴って、板のしなりを使ってより高く飛びます。

オーリーの基本練習は、家の中でもできます。低姿勢になり、前足を引き上げた後に後ろ足を蹴り、腸腰筋の力を使って膝を引き上げます。着地は、膝を使って行います。

続いてフラットなゲレンデ、緩斜面のゲレンデで練習と徐々にステップアップし、障害物ジャンプや迂回コースなどで練習を積めば、ハーフパイプで技を繰り出せるまでの上達も期待できるでしょう。

ハーフパイプが練習できるスキー場2選

ハーフパイプは、すべてのスキー場で練習できるものではなく、ハーフパイプ設置スキー場の数が限られているのが現状です。その中でも、ハーフパイプ練習に最適なおすすめのスキー場が以下の2カ所です。

ハーフパイプの聖地 さっぽろばんけいスキー場

札幌市内にある「さっぽろばんけいスキー場」は、市中心部からのアクセスが良い場所に位置しています。

2015年に新設された国際競技会基準のハーフパイプは、ワールドカップや冬期アジア大会の会場として使われたこともあることから、「ハーフパイプの聖地」とも称されています。

  • 施設名:さっぽろばんけいスキー場
  • 住所:北海道札幌市中央区盤渓410
  • 電話番号:011-641-0071
  • 公式ページ

世界最大級ハーフパイプ 石打丸山スキー場

新潟県南魚沼市にある「石打丸山スキー場」内には、南魚沼市営のハーフパイプ「ガンホーモンスターパイプ」が設置されています。

ガンホーモンスターパイプは、高さ6.7m、長さ170m、幅170mの世界最大級のハーフパイプです。競技基準を満たしているので、ハーフパイプ上達を目指す上級者におすすめです。

  • 施設名:石打丸山スキー場
  • 住所:新潟県南魚沼市石打1655
  • 電話番号:025-783-2222
  • 公式ページ

まとめ

スノボ競技のひとつであるハーフパイプは、ダイナミックな技が繰り広げられる、日本人選手も国際大会で活躍するエキサイティングな競技です。

初心者でも、練習を積めばハーフパイプを楽しめるチャンスもあります。スノボ上級者からステップアップするなら、ハーフパイプにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。