【ゲレンデの輪vol.4】中卒プロスノーボーダー。大事なのは「プロとしての自覚を持つこと」と語る高橋烈男の人生の軌跡を辿ってみた

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カメラマン:Shohei Uda
Grabのスキーヤー・ボーダー密着インタビュー企画「ゲレンデの輪」第4弾!今回のボーダーさんは、トッププロとして活躍し続けている高橋さん!プロボーダーになるために高校を中退し、プロの世界へ…。成功に至るまでの苦労話やさまざまな体験を語っていただきました!

ボーダー取材連載第4弾〜高橋烈男〜

ボーダープロフィール

△名前:高橋烈男
△SNSアカウント:
Instagram
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Twitter
△ボード歴:20年
△ホームゲレンデ:川場スキー場
△ボードスタイル:ストリート、パーク
△スポンサード:
・STEPCHILD
・FIX Bindings
・株式会社CREATAS
・Michelin
・THIRTYTWO
・ELECTRIC
・株式会社1JUST

Grabのスキーヤー・ボーダー取材連載企画「ゲレンデの輪」の第4弾!今回は、ストリートライダーとして名を馳せているイケメンプロボーダー高橋さんを取材してきました!
それでは、高橋さんがスノボで生活できるようになるまでの人生の軌跡を辿っていきましょう♪

スノボを始める前にプロになることを宣言

━━━早速ですが、スノボを始めたきっかけを教えてください!
高橋さん:スノボを始めたきっかけは、通っていた高校の近くにスノボショップがあったことですね。友人とよく通ってました。
━━━スノボショップに通ってたのは、なぜでしょうか?
高橋さん:友人がスノボ好きで、一緒に訪れたのがきっかけです。私は特にスノボをするわけでもなかったのですが、店主や先輩にかわいがってもらっていたので、学校の帰り道のたまり場にしていました(笑)
━━━そうなんですね!スノボショップに通い続けているうちに、スノボに興味が湧いたのでしょうか?
高橋さん:そうですね〜。そこで知り合った先輩に誘われたのと、モテそうなスポーツだったからですね(笑)若い時はモテそうなものは次々に手を出して行っていましたね。ダンスとかDJとか!
━━━楽しい青春時代を築いていますね!笑
高橋さん:「スノボを始める」と決めてから、プロになる宣言をして高校も辞めました(笑)
━━━すごい勇気ですね…。だって、スノボをまだしていないんですよね…?
高橋さん:はい。スノボを始める前です(笑)高校を辞めるには、苦労しましたね…。父が世間体を気にしていたので「高校だけは卒業しろ」みたいな感じで…。ただ、私は特に高校でやりたいこともあるわけでもなく時間の無駄だったんですよ。そのため、早く学校を辞めたいなと。
━━━どうやって、高校を辞めたのでしょうか?
高橋さん:スノボを始めてもいないですが、プロボーダーになりたい気持ちは本心でした。そのため、朝学校に通うふりをして、スノボショップに通ってましたね。結果、出席日数不足で留年が決まったんですよ。
━━━高校で留年ってなかなか聞かないです(笑)
高橋さん:そうですよね(笑)留年した理由とプロボーダーになりたいことを親に説得して、高校を辞めさせてくれましたね。

22歳でプロ資格取得!しかし、アルバイト三昧…


━━━高校を辞めてからどんな生活でしたか?
高橋さん:プロになると宣言しましたが、プロになるにはどうすればいいか、全くわかりませんでした。しかし、たまり場にしていたスノボショップにJSBA(日本スノーボード協会)の役員の方がいて「大会に出ること」が必須だと教わったんです。
道具を購入するためにも、夏の時期は必死にアルバイトしていましたね…。
━━━初めての大会の結果はどうでしたか?
高橋さん:私は17歳ということもあり、ジュニアの部門で参加することができました。そのおかげ?でもあるんですけど、2位か…3位でしたね(笑)
━━━17歳の冬に大会出場されたってことは、スノボをはじめたばかりですよね…!?
高橋さん:はい。
━━━運動神経が良すぎます(笑)
高橋さん:いえいえ、照れます(笑)実家が埼玉県ということもあり、18歳になってからは、スノボを本気で取り組むため親元を離れスキー場の近くに住みました。友人と共同部屋で風呂なし、ボロ家のアパートに。
━━━スノボのプロになるために、親元を離れたわけですが、一番辛かったことはなんですか?
高橋さん:冬がスノボのオンシーズンです。そのため、冬に向けて夏のシーズンに沢山働きました。1日15時間、週6勤務。工場で。これが一番辛かったです。今はもう絶対できませんね(笑)
━━━娯楽は一切なさそうですね…。
高橋さん:一切ないです(笑)工場で単純作業がメインだったので、辛さから逃げるため頭ではいつも違うことを考えていました(笑)
━━━他にも働く場所はあるのに、なぜ工場を職場に選んだのでしょうか…。

高橋さん:時給が割と良い方でした。また、安定してまとまったお金を手にできたからですね。
飲食店の仕事もありましたが、時給が安かったんです。また、土木のような仕事は時給が非常に良かったのですが、雨の日だと仕事ができなくなるので安定していません。そのため、工場勤務を続けていましたね。
━━━なるほど、そういうことだったんですね!
高橋さん:はい。スノボ中心の生活を過ごしていたおかげもあり、22歳のときにプロ資格を取得することができました。

はじめてスノボを活かしてお金を稼いだ22歳〜スノボ専門学校のコーチに〜


━━━プロになってからはなにか生活に変化はありましたか?
高橋さん:ありがたいことに多くのブランドからお声がけをいただいていました。ただ、アルバイトをしないと生活はできなかったですね。
そんなとき、スポンサーの方から「全日本ウィンタースポーツ専門学校」の非常勤講師として働いてみないか?というお誘いがありました。

━━━すごいじゃないですか!
高橋さん:大会以外で、初めてスノボでお金を稼ぐことができたので、非常に嬉しかったですね!少し下世話な話ですが、お給料も良かったです(笑)
━━━実力が認められたわけですね!
高橋さん:嬉しいですね!

24歳で映像の世界に。

カメラマン:kamiyama



━━━現在、高橋さんのボードスタイルは「ストリート」ということでしたが、初めて聞きます。具体的にどんなスタイルなのでしょうか。
高橋さん:ストリートは、道や階段のようなコースではない場所で滑るスタイルのことを言います。
━━━なるほど!日本であまり見かけないような気もしますが、実際はどうなんでしょうか。
高橋さん:そうですね!日本では少ないです。しかし、アメリカではストリートの認知度が非常に高く、ストリートで撮影した映像がX-GAMESの種目にもなるくらいアメリカでは注目されています!
アメリカではX-gameやXtreme-sportsが大人気なんですよ!ちなみにX-GAMES “REALSNOW”は世界で6人だけ選ばれて2ヶ月間で90秒映像作品を作るスーパー過酷な大会です!
━━━そうなんですね!ストリートの大会とかあるんですか?
高橋さん:大会はありますが、映像の上映をするだけなんです。選手たちが撮影したストリートの映像を編集して、大会の日に上映してます(笑)
━━━そういった形の大会もあるんですね!笑
高橋さん:そうなんですよ、特殊ですよね(笑)誰も滑ってない場所を、かっこよく滑っている映像を見て、とても感銘を受けてしまいました。そして「自分もイケてる人になりたい」と思うようになったんですよ。
━━━撮影する場所は、自分で探すんですか?
高橋さん:そうです。撮影場所は夏の間に当ても無く車で走り探していくので結構過酷でしたね…見つかる日もあれば見つからない日もありますからね。当ても無く撮影場所を探すためだけに北陸や東北とかも行きましたね(笑)
━━━すごい努力ですね!

スノーボードだけで生活できるようになった26歳


高橋さん:プロボーダーになるために、夏はアルバイト、冬はスノボの生活をずっと続けていました。しかし、26歳のときにギリギリではありますが、スノボだけで生活できるようになったんです!
━━━いわゆる、スポンサー収入ですか?
高橋さん:そうです。初めてスポンサーから現金をいただいたときは非常に嬉しかったですね!これがきっかけで一気に実力も信用も収入も伸びましたね!

33歳で掴んだ人生の転機!


高橋さん:26歳をきっかけに一気に伸びたと話しましたが、33歳のときには年齢のこともあって、プロを続けるかどうか正直悩みました。
スノボの世界でよく言われているのが、26歳でプロ資格を取れない人は辞めていき、30歳で生活できない人は辞めていきます。
━━━なるほど…
高橋さん:プロとして残るか悩んでいるときに、招待選手だけが出場できる「バートンレールデイズ」というストリートの大会に出場しました。六本木のテレ朝前に集まった観客の前で自分の滑りを披露する大会です!
━━━ストリートスタイルならではの大会ですね!
高橋さん:そうです!日本人予選1位でバートンレイルデイズに出場して、「バートンレイルデイズ」でBEST WALL RIDE賞を受賞しました。業界が私を認めてくれた瞬間です。「バートンレールデイズ」は規模が大きく、注目される大会なので、多くの方に名前を覚えてもらうことができました。
この大会で結果を残したことから、今の自分があるといっても過言ではありません!

JSTAAA設立!

高橋さんはスノーボードのトリックを楽しんでいる方に「目標を持って取り組んでもらいたい」という想いから一般社団法人 日本スノーボードトリック検定&認定協会(JSTAAA)を設立!高橋さんはここで理事を務めていらっしゃいます。
検定を設けることで日々のスノーボードをより楽しく取り組め、レベルアップできます。気になる方はチェックしてみて下さい♪
一般社団法人 日本スノーボードトリック検定&認定協会(JSTAAA)

今後の活躍に注目!


小さな大会から大きな大会まで結果を残してきた高橋さん。今の成功の背景には、アルバイト三昧の生活やプロ生活を諦めようとした苦労が…。
17歳からスノボを始め、33歳で成功を掴み取った高橋さんは、取材してみて非常に「負けず嫌い」であることを感じました。大会の勝ち負けだけでなく、「プロとしてどうあるべきか」が大事だと語ります。
プロとしての自覚を持ち、行動することが、子どもたちやファンたちに大きな希望を与えるのだと。


現在では、ベンツやフォードなど車を4台保有している高橋さん。オリンピック選手でなくても、十分な生活ができることを若い世代に伝えていきたいとおっしゃっていました。また高橋さんは、川場スキー場で日本初となる「グラトリ×パーク」に特化したスクールを運営しています。ぜひ一度参加されてみてはいかがでしょうか♪
パークレッスンの詳細はこちら:JSTAAA公認 高橋烈男プロ パーク&グラトリスノーボードスクール

高橋さんからのメッセージ

高橋さん:川場スキー場のパーク&グラトリスクールは沢山の人に上達をしてもらえる環境、いつでもレッスンを受けれるようにする事も必要かなって「上達=楽しい」がスノーボードを長く続ける理由になると思います。
パークやグラトリは若い子の遊びって考えている方も多いみたいですが、安全に確実に上達出来るコーチングが出来るので何歳でもレッスン大歓迎です!
ちなみに常連さんで最高齢は63歳ですからね!いくつになってもカッコつけたいって気持ちが大事ですね!またプロライダーやレッスンプロを目指しているスノーボーダーの育成、雇用、最近減ってきている山籠りの環境を作ってあげたいって気持ちでもやっています。
スノーボードが仕事になる環境ってなかなか無いですからね。
いずれ他のスキー場でも高橋烈男スクールを増やし沢山のスノーボーダーが山籠り出来る環境を整えて俺みたいな中卒野郎でもスノーボード業界に貢献出来たらと考えています。

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